first・デート


「あー!早く行こ!」


鈴木がいきなりそう言って、あたしの手を引いた。


あ、どっか行く途中だったっけ?


そういえば、さっきどこ行くか聞いたけど言ってくれなかったっけ?


…どこ行くんだろう。


鈴木は、だまってあたしの手を引きながら歩いている。


あたしはその手についていくしかなかった。