first・デート


「なに、にやけてんの?」


「えっ!」


鈴木にそう言われ、あわてて口をふさぐ。


「何考えてた?」


あなたのことです。


「言っていいの?」


「言っちゃダメなのか?」


う…そう言われると…。


「ま、真っ赤になった鈴木が…」


「怒らないでね?」


「うん。」


「可愛いなーと思って…。」


言っちゃったーー!!鈴木は、あたしのほうへ向けていた体をぐりんと回し、あたしに背を向けた。


やっぱ怒った?ヤバい!


「ごめん!鈴…木?」


…また真っ赤だ。