「…珠々!何だってこんな!許せん、誘拐犯!!今すぐ、オレが出張先で購入してきた、対戦車用超巨大バズーカーで地獄の底に突き落としてやる!!」


 言いながら、和音がかばんの中から取り出したのは、和音の二倍の大きさはあろうかという、超巨大バズーカー。


 どう考えても、和音が持ち歩くカバンよりも大きな物体なのだが、父の愛は時に万物の原理すらも超えるらしい…。


 ……てか、お前はそれをどうやってこの国に持ち込んだ?


「やめてくださいってば。犯人が死んでしまいます。」


 それ以前に、そんなものを持ち歩いていたら、すぐにつかまります。


「友梨!珠々を見捨てろっていうのか!オレとオマエとオマエとオレの可愛い珠々を!」


「どうして、そういう結論になるんですか?とりあえず、警察に連絡を…。」


 意外に冷静な友梨ママ。


 リビングから立ち上がると礼音くんを抱っこして、電話機の前に立つ。


 しかし…。


「待て、友梨。そんな国税の無駄遣いな連中よりも、もっと頼りになるヤツがいる(-_☆)」


 色んな問題発言をしながら、和音の目がキランと光ったのを、友梨ママは見逃さなかった…。