お昼の2時、―条野家―


「ただいま。可愛い珠々に礼音くん、そして愛しの友梨ちゃんヽ(^^)」


 NYからの出張帰り。


 会社で簡単な書類整理をして、いつもより、ずっと早く仕事を仕上げてきた、条野家の大黒柱、条野和音、一週間ぶりの帰宅であった。


「お帰りなさい和音先輩、お疲れ様」


 それに対して、いつもの淡白な態度で接してくる、和音の奥さん、友梨と…。


「パパぁん☆おっかえりぃぃぃ(≧▽≦)」


 いつも元気な礼音軍曹


 素敵なタックル。


 避けたら、父親として失格だ。


 ……受けるたびに、お腹がとても痛いけど…。


 って…あれ?


「友梨・・・珠々は?」


 いつもなら、三人で仲良く出迎えてくれるはずなのに、今日はもう一人…愛する愛娘が見当たらない。


「そういえば、まだ帰ってきていないわね。友達と遊んでいたのですけれど、そろそろ、戻るのではないかしら?」

「は?まだ戻ってないの?」


 そんな言葉を聞かされて、黙っている和音じゃない。


「…ええ、どうかされました?」


「友達と遊びに行ってるって…珠々一人で行ってるのか!?」


 なにか、問題でも。


「どうしたの?そんなに心配しなくても、大丈夫よ。すぐ近所の公園ですし…珠々だって、もう五歳なのよ。いい加減、親の目を離れて遊びたいコトだってありますわ…。」



「そういうことじゃない!!珠々だぞ!!あんなに、あんなに、あんなに可愛い珠々が親の目を離れて、一人で遊びに行くなんて…それこそ、ヤツの思うツボじゃないか!!!」

 ヤツって…誰だよ…。