恵翔クンは少しキレ気味に言った。

元から怖い顔だなって思ってたけど近くで見たら本当に怖い…

「道に迷っちゃって…」
と、私は恵翔クンの顔に怯えてしまって声が小さくなる。

「もう道に迷うなよ。」
て、恵翔クンは少し顔を緩めて私の頭を撫でた。

その手は、大きくて温かかった。

恵翔クンが帰って行く後ろ姿を私は見つめていた。

顔が熱い。
大きな音を立てている胸の鼓動。

怖さ故の動悸のなのか、恵翔クンに対する新たな感情なのか分からない。