男の人に気付かれたみたい。
どんどん私に近付いてくる。
お金とか盗られちゃうのかな?
と私は身体が震えていた。
その時だった。
誰かが私の腕を掴んで引っ張る。
そのまま私は連れられて、明るい街の方まで走った。どれだけ走ったか分からない。
でも、この人は私を助けてくれた。

「あの。」
「何?」
その人が振り向いた。
「あっ!」
私は驚いて、小さく声をあげた。
「前嶋恵翔クン…?」
彼は私のクラスメイトだった。
「そうだけど…つ―か、アンタさ、あんな所に来て何やってんの?」