「この子は…?」 あたしが聞くと モモちゃんは言った 「…捨てられてたんだ 俺の家じゃ飼えないから」 モモちゃんの横顔は 穏やかでやわらかで 青いきれいな目は まだ少し淋しそうだけど 冷たい氷は溶けたみたいだった 「かわいいね」 何も言わないモモちゃん 「人懐っこいんだね」 あたしは何でか 分かんないけど この間の話になることを 避けようとしてる 1人でずっと喋ってた 「モモちゃんは…」 「アオ」 「え?」 隣を振り向くと モモちゃんの真剣な顔