「龍太郎!!」


「修司…」




「今日も頑張るか」

「おぉ」





硬いボールを龍太郎に軽く投げると、龍太郎はグラブでそれを捕って


愛しそうな、
苦しそうな、
辛そうな、………
そんな顔を一瞬した。




ボールを上に上げて微笑んだ顔は忘れない。






「野球ってさぁ…………

すげぇ……楽しいよな……。」



龍太郎ってさ…。
いつもほとんど無表情なんだよ。
笑うってことは龍太郎の微笑むで、
大笑いをするところなんて見たことないんだ。





そんな龍太郎が見せた無邪気な笑顔は、

なんだか深い意味がしたような気がしたんだ。



「だよな。すげぇ好きなんだ。
俺な……。龍太郎とした野球、絶対忘れねぇ」


「俺もだ」