以外にも、落ち着いて言えたほうだった。俺の気持ち。


誠はしばらく黙っていた。
『アホ』

「ああ、」

誠は泣いていた。
ただ前と違う、笑いながら泣いていた。

『先にいわれたし』

「泣いてんじゃねーよ」

俺も笑いながら空色のタオルで拭いてやる。

「とにかく俺が言ったんだ、返事しろよ」

鈍感、と誠がつぶやいた。

『隣にいたい』

真っ赤な顔で言う誠を大袈裟だけど世界で一番可愛いと思ってしまった。




『痛い痛い痛い!!』

「ばか」

体育館の時みたいに。


「すげぇ嬉しい」

『どっきりでした、とかいったら殺すよ』

「お前、ほんとバカだわ」

『おいっ』

「本気じゃなきゃいわねーし」