とうとう現れたな…。
ん!?でも待てよ?
アイツ…手繋いでねぇか?
琉雨がチョコを渡すと言っていた先輩の右手は
女の子の小さな手としっかり繋がっていた…
彼女だって一発で分かる
まぁ…あの状態を見て彼女と思わない方がムリなんだけどな。
ここからでも充分ラブラブな雰囲気だって分かる
俺はすぐに琉雨へ目を向けた…。
琉雨はまだ彼女の存在に気付いてないっぽくて
一人意気込むように深呼吸をしていた…
そして校門の柱に寄りかかっていた体を
クルッと反転させ
先輩の元へと足を踏み出そうとしていた…。
でも一瞬琉雨は固まった
その時の琉雨の表情(カオ)が…忘れられない。
初めて見た琉雨のオンナの表情(カオ)
今にも泣きだしてしまいそうなくらい
傷ついた表情(カオ)
そんな琉雨を見た俺はどうしようもないくらい
胸がズキズキと痛んだ
そして感じた少しの罪悪感…。
言葉とは行動とは裏腹な
もう一人の俺が感じた罪悪感は
“ウマくいって欲しい”
と願う反面
“ウマくいって欲しくない”
そう願ってしまう俺に対しての嫌悪感から…


