ごまかすことにも慣れて
琉雨の背中を押して応援することにも慣れた…
ツラいもんだな俺…
でもどうせ琉雨は俺のことをオトコとして好きにならないだろうから
一人のオトコとして見てくれないだろうから
それなら琉雨の想う奴と
ウマくいってほしい…
琉雨はこの先ずっと俺を
“幼なじみ”
としてしか見ないだろう
だから…
好きな人には好きな奴と一緒になって欲しい…
こんなんただの綺麗ごと
そんなの自分でも分かってんだ…
好きな奴と一緒になって欲しいと願う反面
好きな奴と一緒になって欲しくないとも願っちまう
俺はそこまで
“デキタオトコ”
じゃない…
幼い頃から変わらない琉雨への恋心…
長い長い間想い続けてきたんだ…
だからこそ簡単に諦められることなんてできねぇし
簡単に他のオトコと一緒になれることを願ったりできねぇ…
そんなに割り切れて考えられるくらい
“イイオトコ”
でも
“イイオサナナジミ”
でもねぇんだよ…。


