特別編†チョコレートとキミ†春輝 side


大好きな琉雨の寝顔を眺めながら俺は

罪悪感という波に呑まれていた…。

そしてフッと笑った。

自分に対して…

あざ笑った…。

俺は俺を馬鹿にした…。

慰めたいなんてただのキレイごと

琉雨の弱みに弱いときにつけ込みたかったんだ…

“俺”という存在を琉雨の中で大きく確かなモノにしたかった。

琉雨…俺はお前の思ってる程イイヤツじゃねぇ。

むしろ最低最悪なヤツだ

ただのイイオサナナジミで居れたら

ただのイイヤツで居れたら

こんなに苦労なんてしないで済んだ…。

琉雨のそばにいるのだって

ただただ一緒にいたい訳じゃなくて

“あわよくば”っていう

裏腹なキモチがある…。

なぁ…琉雨。

知らないだろ?こんな俺

矛盾だらけの俺を…。

裏腹な俺を…。

期待なんて言葉は一番信じちゃなんねぇ。

今更琉雨に期待なんかしても俺に傾いてくれる訳じゃない…。

そんなのずいぶん前から分かってたこと…。

もう一度琉雨に唇を近づけようとすると

琉雨の瞼が微かに震えてるのが分かった。

もうじき目が覚めるんだな…。

俺はキスしたい気持ちを抑えて顔を急いで琉雨から離した…