特別編†チョコレートとキミ†春輝 side


俺はとうとう限界がきてしまっていた…。

自分の気持ちをコントロール出来なくなっていた…。

そして…

琉雨の少し開いた口から

小さな寝息が漏れる唇に

小さな桜色の綺麗な唇に

自分の唇をゆっくりと慎重に

まるでスローモーションのように近づけて

キスをした…。

琉雨の唇に触れた途端に

今まで湧き上がったことのない感覚が走った…

まるで電流がビリビリと体中に走るように

俺の体を刺激した。

ヤバいくらいに体がビクビクとした…。

でもこの感覚が気持ちよくて唇を離した後も

また自分の唇を柔らかい琉雨の唇にくっつけたいと思った…

初めてのキスは俺の体をこれでもかというくらい
熱く熱くさせた…。

昔からの俺の願望

“ファーストキスの相手は絶対に琉雨”

難なく叶った…。

でもなんだかむなしくなった…。

こんなことしても琉雨が俺のものになるわけないのに…。

そしてふつふつと罪悪感が芽生えた…。

最低だな…俺。

寝てる子相手に勝手にキスして…。

ただの自己満としか言いようがねぇ。

琉雨にとってコレが初めてのキスなのかは分からない。

もし初めてのキスだったら…

俺は嬉しいけど、琉雨は?

申し訳なく感じる。