俺はとうとう限界がきてしまっていた…。
自分の気持ちをコントロール出来なくなっていた…。
そして…
琉雨の少し開いた口から
小さな寝息が漏れる唇に
小さな桜色の綺麗な唇に
自分の唇をゆっくりと慎重に
まるでスローモーションのように近づけて
キスをした…。
琉雨の唇に触れた途端に
今まで湧き上がったことのない感覚が走った…
まるで電流がビリビリと体中に走るように
俺の体を刺激した。
ヤバいくらいに体がビクビクとした…。
でもこの感覚が気持ちよくて唇を離した後も
また自分の唇を柔らかい琉雨の唇にくっつけたいと思った…
初めてのキスは俺の体をこれでもかというくらい
熱く熱くさせた…。
昔からの俺の願望
“ファーストキスの相手は絶対に琉雨”
難なく叶った…。
でもなんだかむなしくなった…。
こんなことしても琉雨が俺のものになるわけないのに…。
そしてふつふつと罪悪感が芽生えた…。
最低だな…俺。
寝てる子相手に勝手にキスして…。
ただの自己満としか言いようがねぇ。
琉雨にとってコレが初めてのキスなのかは分からない。
もし初めてのキスだったら…
俺は嬉しいけど、琉雨は?
申し訳なく感じる。


