特別編†チョコレートとキミ†春輝 side


泣き声が聞こえなくなったかと思えば

小さな寝息が聞こえてきた…

俺の腕の中で琉雨は眠っていた…

警戒心なんて微々も感じさせない無邪気な寝顔…

俺はそんな琉雨がたまらなく愛しくて

このまま俺のものになって欲しいと思った…。

俺の腕の中で俺だけの琉雨になって欲しいと…。

体が顔が俺の全てが勝手に動いていた…。

本能のままに。

俺は寝ている琉雨の顔に自分の顔を近づけた…

じっくりと琉雨の寝顔を瞬きもせずに見つめる。

琉雨のまつげにはほんの少し雫が残っていた。

その雫は間違いなく涙

キラキラと光に反射して綺麗だった…

そして頬にも確かに残ってる涙の跡…

俺は寝ている琉雨の瞼にそっと唇を近づけて

キスをした…。

涙の跡が残ってる頬にも…。

微かに残ってた雫に触れた俺の唇から

しょっぱい涙独特の味が口内に広がった…。

胸がズキズキする。

俺だったら…お前にそんな顔させねぇよ?

お前にツラい想いさせねぇよ?

俺を選んでくれよ。

琉雨…