「………ずいぶん、ぶっ飛んだ考えだな」
「いや、じゅーぶんあり得る!!」
「その自信はどこから来るんだよ」
すると、朝比奈が口をつぐんだ。
目を泳がせる。
…………ははーん。
「オマエ、西園寺華抱いたろ」
ビク、と朝比奈の頭が動いた。
俺は呆れる。
「本当お前は手当たり次第だな」
「だって誘われたら断れんやろー……それにそん時は俺に従順だったんやもん」
「さらっと変態発言するな」
実は、前に城山愛に言ったなかの『ドS』とは、コイツのことだ。
まあ、本当にドがつくほどのSなのかは知らないが、前に好きな女のタイプを「泣き叫ぶ姿が似合いそうな女」とか何とか言ってたぐらいだしな。
そして、朝比奈のネクタイは青いままだ。
契約は全部断っているらしい。
「だって、女って面倒やん」
らしい。
そこらへんは同じ考えだ。
……だが。
申し込んできた女全員を抱いてやる、とか意味不明な目標をたてるのは本当、止めてほしい。
「……そんな人畜無害そうな顔しやがってよ」
「え?何や、爽」
「何でもねー。ほら、続き」
不思議そうな顔をする朝比奈に、先をうながした。


