学校についたらすぐ、城山愛のげた箱を見に行った。
靴あったらいるってことだし。
普通科まで行くのは面倒だ。
そう思って移動すると、
………ん?
誰かいる。
男と、女。
男のほうは、遠目からもわかる茶色で。
…………朝比奈か。
女と話しているようだ。
俺はとっさに隠れた。
「爽にムリヤリされたんかー?」
朝比奈の声。
おい……俺の話かよ。
つか、相手誰だ。
「なんか、早坂爽、怒って…それで」
女の声に聞き覚えがある。
ていうより、俺のことわざわざフルネームで呼ぶ女なんて1人しかいない。
城山愛。
……何で櫂といるんだよ。
「何で怒ったん?」
「わかんない」
話の内容からして、昨日のことだろう。
あー…マジでわかってねぇのな。
城山愛の鈍さに俺は苦笑し、そこを離れた。


