俺様!何様?執事サマ!?



「……も、だいじょぶ」


涙が止まったころ、体を離した。

すると、爽が胸元を見つめる。

伸ばされた長い指が、鎖骨をなぞった。



「…やられたの、ココだけ?」



そう言ってさっきの所を指す。

……なんでわかるんだ。

不思議に思いながらも、頷いた。

「ふーん…」

無表情に呟いて、顔を近づけてくる。



――え。



「ちょ、え、なに…」


「他のヤツにやられたままじゃ、ムカつくんだよ」


なんだ、そのエゴイズム。



「…待っ、て」



そんな私の制止なんて聞いてくれず。

さっきと同じところに、熱が宿る。








だけど、やっぱり、


同じなのに、違くて。


爽が触れたところから熱が広がって、体が熱い。


「……っ、ん」


「…もう少し早く来れればよかったんだけど…悪かった」


こんどは、唇に。



「でも、もっと俺のこと頼ってよ」



優しくて、でも強引で。


気持ち悪いなんて思えない。


これって、なに?







爽の笑顔に、ドキドキして



キスに、熱くなって



頭のなか、爽でいっぱいで。








「なぁ……愛」








わたし、






爽が、好き?