俺様！何様？執事サマ！？

バタバタという足音が聞こえなくなったころ、早坂爽が口を開いた。


「……大丈夫か?」


自分のブレザーを脱いで私に着せる。

大きいから、体がすっぽりおさまった。


「…ぁ、…」

「いいから、泣け」


なんだか優しい早坂爽に、

抱きしめられて、頭撫でられて。



我慢してた涙があふれた。



「ふ…ぇ…」

怖かった。

「…あり…が…」

早坂爽が来てくれて、よかった。





「…爽…ありがと…っ」





私のその言葉に、


爽の顔が緩んだなんて、知らない。