「もういいのか?」というような視線を私にむける。 頷く。 「いい、から」 すると、早坂爽は、ため息をついて男から足をどけた。 「お嬢様に免じて、今日のところは見逃してあげます」 お姉様と男たちは安堵の息をつく。 「――でも」 ダンッ!! 仰向けに倒れた『田中』の、顔のすぐ横、顔を踏みつける勢いで足をおろした。 「次やったら、ただじゃおかねーから」 そう言って、早坂爽が笑みを浮かべるのと同時に、怯えた顔で6人は走り去っていった。