その後も早坂爽を無視して、隠れて、会わないようにしていたら、あっという間に放課後になってしまった。
「愛ー、寮もどろー」
二階堂さんとは、ずいぶん仲良くなれたようで、名前で呼び合う仲になっていた。
「あー…ごめん。私ちょっと用あって」
行きたくないけど、行くしかないだろう。
「えー、じゃあ私1人じゃん!!」
……え。
「…皐月、執事さんは?」
そういえば、1回も見てない。
皐月はケロッと言った。
「私、執事なんかいらないしー」
そういえば、皐月はネクタイを締めていない。
交換してなかったのか。
「…でも…大丈夫なの?」
「いーのいーの、バレなきゃ」
……私もそうしたかった。


