早坂爽にバレないように頑張ってんだから!!
そんな私を見て、何か気づいたようにニヤニヤ笑う櫂。
「爽と何かあったん?」
「!!ない!!全然ない!!」
「ははっ!愛ちゃん、嘘つくんヘタクソやなー」
頭を振ったせいでぼさぼさになった私の髪を整えながら笑う。
う……やっぱり、カッコいいよ。
早坂爽といい勝負だ。
「まぁ…わかった。爽にはナイショにしとくわ。ほな、またな」
「あ、うん。またね」
ひらひら手を振ったかと思うと、立ち止まって、また戻ってくる。
「…どうしたの?」
「んー…」
やたらと近づく。
「あんなぁ、愛ちゃん…」
第2ボタンまで開いた私のブラウス。
わずかに見える肌に、櫂が触れた。
囁く。
「こーゆーんは、ちゃんと隠しとき?」
櫂の指の先は
昨日、早坂爽がつけた、赤い痕。


