「…なんで?」 「アイツの香水は特徴的な香りがしますので。すぐわかります」 「……へえ。ごちそうさま」 パスタが食べ終わった。 早坂爽の手がお皿をつかむ。 「自分でやるよ」 「仕事ですから。お嬢様は座っていてください」 食後の紅茶を煎れて、キッチンへ行ってしまった。 その笑顔に、見覚えがある。 貼り付けたような笑顔。 ――――………あ。 ……怒って、る?