―――夜。 私は早坂爽の作ったパスタを黙々と食べていた。 ウソがばれるとまずいから、さっさと食べてさっさと自分の部屋へ帰ってもらおう。私が食べ終わって片付けたら執事の仕事は終わりなはずだ。 ……なのに、なぜだか早坂爽は私の首あたりをくんくんと嗅いでいる。 「…な…なに?」 くすぐったいんだけど。 「いや…」 私の頭をひと通り嗅いだあと「ああ、やっぱり」と洩らして 「朝比奈に会ったんですか?」 と言ってきた。