「…早坂爽の知り合い…?」
「そーやそーや。朝比奈櫂ゆーねん、櫂って呼んでなー。よろしゅー愛ちゃん」
櫂は、 明るめの茶髪で、片耳7個ずつピアスを空けている。チャラい。
でも顔は特上クラス。鼻がスッと通っている。私のキライな茶色の短髪が逆にカッコよくも見えるのが不思議だ。
「爽は、俺と同じクラスやねん」
「…あ、Sクラス」
「そや。ってもまあ爽と比べたら、俺は落ちこぼれ組なんやけどなー」
いや、Sクラスいるだけでもすごいですって。
「…あ、それより、大丈夫やった?なんもされてへん?」
櫂がぽん、と手をたたいた。
「いちお聞いとかな、爽に怒られてまうもんなー」
「どや?」と首をかしげる。
なんか、可愛いかも。
「大丈夫です」
「そか。よかったわー」
小さく息をはいて、私の頭を撫でた。
――ブーブーブー
ちょうどその時、私のブレザーのポケットからバイブ音。
ディスプレイは『貴女の執事』と知らせていた。


