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「受け取ってくれへん?」
今、俺の目の前にはびっくり顔の愛ちゃん。
差し出された袋と俺の顔を交互に見つめとる。
「………私、に?」
「前、あげるって約束したやろ?渡してなかったなぁ思て」
だけど、愛ちゃんは戸惑ってて。
たぶん昨日の爽の言葉、気にしてるんやと思う。
俺は愛ちゃんの手にムリヤリそれを渡した。
なるべく不自然にならんように笑う。
「下心は、あらへんから。もらってやってや」
そう言うたら、愛ちゃんはそれを抱きしめて、
「ありがと、櫂」
って、笑うてくれた。
「ん……ほなな」
手を振って、歩き出す。


