「あの……櫂、私からもお願い」 愛ちゃんが俺に手を合わせた。 俺は言葉を飲み込む。 「皐月が留年なんてやだし……櫂なら私も安心だし……お、お願いします!!」 友達のために、必死に頼みこむ愛ちゃん。 (……そーゆーとこ、好きやなぁ) ……………ああ、もう。 愛ちゃんにそないなこと言われたら、断れるわけ、ないやん。 心のなかでため息ついて、顔は笑う。 「………わかりました、皐月お嬢様」 めっちゃ鬱。