皐月は、はたから見ても元気がなかった。
机に突っ伏して、微動だにせえへん。
………いっつもウザいくらいハイテンションやのにな。
「……元気ないやん」
俺が声をかけると、皐月は顔を上げた。
人生に疲れたような顔やなー。
「どしたん、一気に年とったようなカオやで」
「…………櫂センパイは思ったことすぐ口にだすのやめてください」
「素直に心配してやってるんやん。なんかあったんか?」
そう言って俺が笑うと「櫂センパイは悩みなさそうでいいですよね……」なんてつぶやかれた。
…………俺だって、傷つくねんで?
ナイーブな年頃なんやから、思ったことすぐ口に出すなやコラ。
なんて、思ったんやけど、皐月があんまりにも落ち込んでるから、ヘルプの視線を愛ちゃんに向けることしかできんかった。
