「つーことで、オマエ帰れ。ジャマ」 私を抱えこんだまま、しっしっ、と爽が手を払う。 「………なんやなんや。俺、天使役がんばったのになんにもなしかい」 「それに関してはありがとう。さようなら」 「むっかつくわ!!」 ケンカ寸前のふたりの間に、私。 そうだよ、お礼!! 「あの、櫂っ!私、すっごく感謝してるからっ!!」 両手で櫂の右手をにぎりこむ。 「ありがとうっ」 笑うと、櫂の顔がみるみる赤くなって。 「……愛ちゃん…やっぱ好」 ―――ボコッ そんな櫂の頭に、爽の拳が落ちた。