俺様!何様?執事サマ!?




くるりと体が反転させられる。



爽に抱きしめられた、と理解したのは数秒後。







「…………そ、う……?」







名前を呼んでも、腕の力を強めるだけ。








戻ってくる。




爽のあったかい感覚が。




香水じゃない、ふわっとした香りが。




どうして?







爽の心臓が、はやい。








「……爽……はな、して」




だめだ。




爽には美羽さんがいるんだよ。




爽は優しいから




こうして、慰めてくれてるの?








でも、そんなの、優しさじゃない。





期待させること、しないで。