「…………爽」 「あ?」 「放課後、教室残っとって。頼むわ」 手を合わせれば、優しい爽は了承してくれることはわかっていた。 「……わかった」という声の後、礼を言って自分の席へ戻った。 ケータイを出して、電話帳を開く。 (愛ちゃん愛ちゃん……あった) 素早くメールを作成し、送信。 『悪いんやけど、放課後、こっちの教室来てくれへん?』 ―――これが最後の賭け、だ。