部屋の真ん中に、ポツンと置かれた赤いネクタイ。 私のだ。 近づいて、拾うと、メモが1枚落ちた。 爽の字で、一行だけ 『美羽がいるからもういらない』 と、書いてあった。 ―――私は、やっぱり、美羽さんの代わりだったんだ。 いつのまにか目からは涙があふれて。 ネクタイ抱きしめて。 声を殺して、泣いた。