部屋には爽の寝息しか聞こえなくなった。
スー、スーと規則正しい。
私は爽に近づいた。
(……やっぱり綺麗)
あらためて見ると、カッコいいというよりキレイな顔。
どうしたらこんなにすべすべの肌になれるのか不思議。
「……って、見とれてる場合じゃない」
起こさなきゃね。
まず、肩をゆすってみる。
「ん……」
と声を漏らしただけで、目は開かない。
「爽、起きてー」
呼んでみたが、起きない。
最終的に、鼻をつまんでみた。
5秒
10秒。
爽の顔が歪んで、薄く目が開かれる。
「あ、起きた?あのね――――」
そして私が声を発する前に、
爽の腕に、捕まった。


