「ごちそうさまっ」
おいしくて、あっという間に食べ終わった。
「どーやった?」
「おいしかった!」
「そかっ」
ニカッと笑って、嬉しそうな櫂。
昼の悲しそうな雰囲気はまったくない。
なんか私まで嬉しい。
「やっぱり櫂は笑ってたほうがいいね」
私が言うと、櫂が「え」と小さく声を出して固まった。
そしてその茶色の頭を爽がたたく。
痛がる櫂を無視して、私に視線を向けた。
「愛。風呂沸いてるから入ってこい」
「ほんと?あ、カノンも一緒でいい?」
「………あー……ドーゾ」
「じゃあお先に!」
私はカノンを連れてお風呂場にむかった。
「……やばいわ爽。赤面注意報」
「なにオマエ純情キャラになってんの」
「愛ちゃん限定やん。自分だってそーやろ」
「さあ、どーだか」
「うわ。素直やないなー。カノンうらやましいとか言ってみいや」
「……それはオマエだろ」
「うーわー、だから爽はムッツリなんやって」
「死ね」
「って、ちょ、水かけるとか地味なことせんといて!!」
「なんかあっち楽しそー」
風呂場で櫂の叫び声を聞いた愛であった。


