「そんで、この学校来て、爽に会ってな」 抱きしめたまま話す。 息が首にかかってくすぐったい。 「ああ見えてな、優しいやろ、爽は」 「……うん」 それは、知ってる。 「俺の初めての友達になってくれてん」 「……うん」 櫂の腕の力が強くなった。 「たったひとりの、友達や」 その言葉に、 私は口を開く。 「櫂……」 「私も、櫂の"友達"になりたい」