ガッシャーーーン!!!



凄まじい音が店内を駆け巡った。



そう。


田中さんがあたしから奪い取ったトレーのバランスを崩したのか何なのか。


お冷やたれ小皿が床に落ちた。


「失礼いたしました。」


近場にいるお客さんたちに謝る田中さん。



その後ろで突っ立ってるあたし。


内心、ざまぁみろと思っていたので、「大丈夫ですか。」なんてやさしい声をかけることすら思い浮かばなかった。


それどころか、落としたことをあたしのせいにされやしないかとドキドキしていた。



しゃがんで、破片を拾う田中さん。


その後ろで、田中さんを見下ろすあたし。