【短編】4年後の素直

「さおり、久しぶり。」


南が、私と敦の会話を割ってはいってきた。


「南、久しぶり。」


私は、微笑んだ。


「あのさ.....」


南がなにかを話そうとしたら、敦はいなくなった。


「なに?」


「ごめんな。」


南は、申し訳なさそうに謝った。


「なにが?
悪いのは私でしょ。
謝んないでよ。」


完璧に謝るタイミングをなくしてしまった。


「俺は、さおりの支えになりたかった。」


「私は、それが怖かった。」


「えっ?」


南は、なにがって感じで私を見た。


「妹を守るのは自分だからって。
まあ、彼氏がいたんだけどね。」


「俺さ。
今でも、気持ちは変わらないよ。」


南は、優しい眼差しで私を見た。


「私は....」


正直な気持ちが言えない。


怖い。


いざ、言おうとしても。


だって、南は、そばにいない。