悪いけど私男に興味ないんだよね。



私はパパが好きだから、パパみたいな人でないと無理。



8時過ぎに亜衣ちゃんが言う研吾君とやらが、



病室に入って来た。



うーん。なるほどイケメンだ。



亜衣ちゃんが話しかけている。



『もうすぐ朝食だからね。それまでに熱を計って下さい。』



白衣を着た松平研吾が私の側に来た。



『朝里ちゃんは暫く点滴たけになるから、我慢してな。』



研吾君が優しく微笑んだ。


私は黙って、研吾君が差し出した体温計を受け取る。


『朝里ちゃん中1なんだね。大人ぽくて驚いたよ。


長い髪が邪魔だね。僕がミツアミにして上げる。』



研吾君が私の髪を器用にミツアミにした。



パパ以外の人に髪を触られたのは初めて、



なんかドキドキしてしまった。



「研吾君朝里ちゃんに優し過ぎだよ。」



『亜衣ちゃん考え過ぎだよ。朝里ちゃんも大切な患者さんだからね。』



特別なんかじゃなくて、大切な患者さん。



研吾君のその言葉に何故か胸が傷んだ。