その日沙織から聞いた話しはほぼ、



朝里の父親から聞いたものと同じだった。



朝里と父親が血の繋がらない親子だった。



沙織は泣いていた。



朝里が可哀想過ぎる。



たけど、朝里の父親が朝里を娘としてでなく愛してることや、



もう一つの真実は沙織は知らないようだった。



何故かほっとする俺。



真人が朝里支えてやんないと駄目だよ。



沙織の言葉が胸に響く。



たけど俺は、『沙織今の俺じゃ朝里守ってやれないんだ。


俺には朝里守れるだけの力がない。


悔しくて情けないんだけど、沙織ごめん。』



電話の向こうで沙織が泣き続ける。



「真人私の方こそごめん。

私たちはまだ子供だから、

朝里の友達ではいれるけど、朝里の全てを受け止めて上げれるかは、


私にも分からないよ。


でも私たちだけでも朝里の見方でいてあげようね。」


『ああ、分かっているよ。朝里を思う気持ちに変わりはないよ。



俺もっと大人になりたい。


朝里の全てを受け止めてあげられる



研吾君のような大人になりたいよ。』