辺りをきょろきょろと見回すと、隅っこのフェンスのところに頬杖をついた明くんがいた。 うまくいえるかな。 「…あ…きらくんっ」 少し上ずってたかもしれないが、そんなこと気にする余裕はない。 明くんは茶色がかった髪を風になびかせながら振り向いた。 「ああ、アンタか」 「…うん」 明くんがあたしを見てる。 やばい、心臓の拍動が大きくなってきた。