以前にも増して、パソコンの調子が変な感じになったのは先週ぐらいからだった。

「母さん、パソコン触ったかい?」

自分がまた余計な事をして、調子を悪くしたんじゃないかと、うすうす気づいてはいるものの、先ずは自分以外の誰かのせいにしてみたくなる、嫌な性格である。

「お父さん、またパソコン壊したんですか?よくまぁ、どこをどういじると、そんなに簡単に壊れるんでしょうね・・・余計こじれる前に、修理屋さんを呼んだほうが良いんじゃないですか!」

60歳の手習いで、パソコンが我が家に来て早1年半、その間何度も不具合を起こし修理屋さんへ支払った代金がパソコン代金と同額ぐらいになっていれば、もはやかみさんの方が、上手だ。

「パソコンって奴は、どうしてこうもトラブルのかね~」

誰に云うでもなしに呟きながら、近所の修理屋さんへ電話を掛けた。

「パソコンがちょっと調子悪くなっちゃって・・・」
「どんな感じですか?」
「それが、良く解らんのですがね、とにかくパソコンの反応悪い感じで・・・」
「切欠として、具体的に最近、何かソフトを新しくインストールしたとか、変なサイトを見てしまったとか思い当たることはありますかね~」

と毎度質問して来るが、こちらとしては思い当たることは山ほどあると云えばあるし、ないと云えばない・・・要するに、良く解らないのである!だから、こうして電話をしているわけなのだが。