「あ、いや…それは………」



「言ったわよね?

私に協力するって。
何でも、どんなことでもしてやるって」




いや、そこまで言った覚えはないぞ、俺。




そんな俺の気持ちを読んだのか、美波は俺の胸ぐらを掴んだ。



そして、グイッと俺の顔を自分に近づける。




「言ったわよね?」



「いや………」



「言ったわよね?」



「あれは、その………」



「言った、わよね?」



「……………」




俺は無言で頷いた。



そうするしかなかったんだ。


協力してやる、って言ったのは事実だし、こいつの形相といったら恐ろしいのなんの。



てか、俺がイエスと言うまで何時間でも言い続けそうな空気だったし。