美波はノートを胸に抱きかかえたまま、悔しそうに唇を噛んでいた。



ああ、もう。



今日のこいつ、絶対におかしいだろ。



何がねらいで俺の部屋なんかに来やがる。




「………お前が何を言おうと気にしねぇから、話してみろよ」




そしてさっさと自分の部屋に戻れ。



俺だって暇じゃねぇんだ。



予習がまだまだ残ってんだよ。




「………ほんとに、真面目に私の話、聞いてくれる?」



「聞く聞く、何でも聞いてやる。

だから話してみろって」



「笑ったり…しない?」



「しないしない。

笑ったら殴ってもいい」




いや、話の内容も聞かないでそこまでいっていいのか俺。