葬式を終え、とぼとぼと家路につく俺と美波、そして雨宮。



誰も話さない。


正確には誰も口を開けない。



三人が三人とも、何かを話そうだなんて気になれなかった。




「……………」




俺は千鶴に何も言ってやれなかった。



何を言ったらいいのか、全くわからなかった。





歩いていると、何度も千鶴の泣き顔が、悲しげな顔が脳裏に浮かぶ。



何だ。


これは何だ。



何故、千鶴があんな顔をしなきゃいけない。


何故、千鶴があんなに悲しまなきゃいけない。



千鶴が何をした。


千鶴の弟が何をした。



千鶴は弟が大好きで、本当にいい子で、本当に優しい女の子なんだよ。



それが何で、なんだよ。


わけわかんねぇよ。


ふざけんじゃねぇよ。