「千鶴!

もう…連絡くらいよこしてよ。
クラスのみんな、打ち上げ行っちゃって………」



千鶴に駆け寄る美波。



そんな二人を見ながら、俺は気が気でなかった。



病院?


千鶴が?


何故?




そう考えて、すぐに答えらしきものが浮かんだ。



「あっ、ちょっと千鶴…?」



千鶴はあろうことか、美波を素通りした。



そして、ゆっくりと俺に近づく。



俺はただならぬ予感がして立ち上がった。



うつむいていた千鶴の顔がゆっくりとあがる。




そこで、グラウンドに灯された炎が、千鶴の頬を伝う涙を映した。




「ちづ………っ!?」




次の瞬間、俺は千鶴に抱きつかれていた。




「お前………」



「ひっく………ごめんなさい…

ごめん…なさい………」


千鶴は俺の胸に顔を埋めながら、泣いた、初めて俺の前で泣いた。




「おと…ひっく………うと…が…」




そして、俺の中で膨らんでいた最悪の予感を形にする。




「………死に…ました」