妹なんていらない

「おっと…ご到着、だね」



雨宮の言葉で、自分が家の前にいることに気づいた。



「あれ?
なんかえらい早かったな…」



「私との会話が楽しすぎて、かなあ?」



「長かった、すんげー長かった」



「ちぇっ…

高橋くん、つれないなあ」



そう言うと、雨宮は傘から抜け出し、玄関を開けた。


そして、雨宮が鞄からタオルを取り出し、肩が濡れた制服を拭いている間、
俺は傘の水を切り、それを玄関に立てかけておいた。



「はい、高橋くんもどうぞ」



「え?
あ、ああ…サンキュ」



「私、先にシャワー浴びるけど…

どうする?
一緒に浴びる?」



「んなっ…!?

さ、さっさと行きやがれ!!」



「ああっ、真っ赤になってる!!

高橋くん、かっわいいー!!」



「うるせぇ馬鹿!!」



雨宮はニコニコしながら、颯爽とシャワーを浴びに向かった。



まったく………


あいつ、俺をからかう以外にやることはないのか…