妹なんていらない

「はあ…はあ……ああ、笑った笑った、久しぶりに笑った」



「そうかい…」



正直俺はブルーだった。


だから嫌だったんだ。


この話は、俺にとって結構辛い話だというのに、他の人からしてみれば笑い話にしかならない。


結果、さんざん笑われて俺はより惨めな気持ちになるのだ。



「よおし、それじゃ、練習再開。

演劇歴十二年の凶運大先生、早く始めましょうか」


「ぐ………」




正確には十二年ではない。


練習は一年の内、一、二か月しかしていないだろうし。




「それじゃあ、五ページの、出会いのシーンからね」



「はいはい…」



「もっとやる気を出せ!!」



「おう!!」



「うっさい!!!」



「理不尽だ!!!」




とまあ、こんな感じで俺たちの練習は進み、夜はふけていった。