妹なんていらない

「………よし、休憩」



何の悪びれもなく、当然のように言う美波。


いや、主導権はお前なのか?


俺は、お前の、練習に付き合ってやってるんだぞ?




「てかさ、なんか純一ってさまになってるよね」



「は?」



「セリフが棒読みじゃないし、成りきってるって感じ?」



「あのな…お前は昨日、棒読みで演技した俺を蹴り倒したことを忘れたのか?」



あれは痛かった。



「うん」



「逆にすがすがしいな!!」



「まあ、それを抜きにしても、なんか慣れてるよね」



「流したなこのやろう…

………まあ、いろいろあってな」




俺がそう言うと、美波は興味深そうに首をかしげた。