妹なんていらない

「………ふぅ」



千鶴の話を聞き終えた俺は、一つ息をついた。



「ご、ごめんなさい!

長々と話してしまって…」



「あ、いや、そういう意味で息をついたわけじゃないんだが…」



慌てる千鶴を見ながら、俺は美波のことを考えていた。


正確には、結城のことを考える美波、だが。



あいつは結城のことで俺に恋愛相談をしてきた。


千鶴も相談、とまではいかないかもしれないが、俺に悩みを打ち明けた。



何だか最近こんなことばかりな気がするんだが、気のせいか?




「あのな、千鶴」



そして、俺は知っている。


美波のときもそうだが、根本的なところは千鶴のことだって同じだろう。



「弟のこと、好きか?」



「え?

……あ、は、はい!」



千鶴は一瞬呆気にとられたような表情をし、それから俺の言葉を理解したらしく慌てて答えた。