妹なんていらない

クレープ屋に着くと、キラキラと目を輝かせて千鶴はメニューを凝視し始めた。



こういうところは本当にかわいいんだよな。


やっぱり、こういう愛嬌のあるやつはいい。


見てて飽きないし、こうしているだけで楽しい。



「そんなに悩むこともないだろ?

おごってやるって言ったんだ。

遠慮しなくていいから、どれでも好きなやつを選んでくれ」



「そうですか………

それじゃあ、キングクレープを一つ」



キングクレープ(1800円)



「……………」



甘かった!


こいつは素直に俺の言うことを実行するやつだということを忘れていた!!



「………き、キングクレープか。

いや、こんなでかいの食べたら太るぞ?」



「大丈夫です!

せっかく先輩がおごってやる、遠慮しなくていい、好きなのを選んでくれ、とまで言ってくれたんです!!

裏を返せば、がっつりいけ千鶴!、という意味合いにとれます!!」



「ああ、恨むぞ数分前の俺!

キングクレープを一つ!!」