「そうですかぁ、みぃちゃんが………」



「お前は何か知らないか?

美波の機嫌が悪くなるような何か………」




すると、千鶴は珍しくいたづらっぽい笑みを浮かべた。


雨宮に続いて千鶴まで…


何だ何だ。


こいつら何を隠そうとしてんだ。




「先輩、女の子には秘密がいっぱいなんです」



「は?

お前まで雨宮みたいなことを…」



「例えば、私はこの前のテストで名前を書き忘れて初めて0点をもらいました」



「それは秘密にしとけよ!!」



「え?まだ聞きたい…?

そんな、先輩…やらしいです…」



「雨宮あたりに何か吹き込まれたんだな!?

そうなんだな!?」




ちくしょうあの野郎。


多少暴走する癖はあるが基本的に無垢な千鶴に変なこと吹き込みやがって…




「とまあ、冗談はここまでにしておきましょう」



「お前にまとめられると癪にさわるな…」



「まあまあ、このわたくし、佐山千鶴。

ちょっぴり寂しそうな先輩のために一肌脱ぎますよ」



「はあ?」



「先輩は家に帰れない…

私は街に買い物…


そう、つまり――」




千鶴はニコッと笑って言った。



「…デートしましょう!!」